新しい演劇祭の誕生へ向けて

          実行委員長 飯 田 克 衛  

中止から10年新しい演劇祭を
かつて横浜では、「神奈川県国際アマチュア演劇フェスティバル」が3回開催されております。1995年に4回目の開催を企画しましたが、当時のバブル崩壊の余波を受けて、開催運営資金の調達が困難になり、中止せざるを得ませんでした。以来10年、再開を期してきましたが、今こそその時期だろうと思います。まだ当時の演劇フェスティバル経験者が健在ですし、新しく台頭した若い演劇人の力とが融合発揮されるなら、間違いなく創意に富んだ演劇祭を生み出すことになるでしょう。

演劇をする原点見つめるために
新しい演劇祭は、アマチュア中心の演劇祭から、県民の要望に添った専門性の高い世界演劇祭に脱皮し、新たな交流の場を創り上げます。10年のブランクは、世界の演劇を身近に感じたい、世界の演劇と交流し学び合いたいという思いを強くしました。演劇を通して豊かに生きること、人間の信頼を取り戻し励ますこと、そして演劇が生活の中に息づくことです。この機会に私たち自身の「演劇をする原点」を見つめたいと思うのです。

演劇の日常化を世界に発信
神奈川県は開国の地です。横浜は世界と繋がる都市です。神奈川の演劇を育てる取り組みは「演劇の日常化」というこ言葉で言い表されてきましたが、これからは「世界の演劇の日常化」を目標にしたいと思います。そのためには演劇愛好者のための演劇祭から、すべての県民が楽しめる享受できる演劇祭に脱皮したいと思います。これまで演劇とは関わりの少なかった就園前の子供たち、障害を持つ人も含めた全ての人々にとって、生きるために必要な日常の営みとして、もっと文化的であろうとする試みです。神奈川から、横浜から、世界の演劇の日常化を発信できることは素晴らしいことです。

全ての関係者の協力によって
この演劇祭を演劇関係者だけでなく神奈川県、神奈川芸術文化財団、横浜市、横浜市芸術文化振興財団、そして協力してくださる多くの劇場と一緒に取り組めることもまた素晴らしいことです。演劇が生きるために欠くことのできない必要な文化であることを思うと、関係者が力を合わせることは当然のことですが、実際にはそういう関係を成立させることは、なかなか難しいものです。しかし今回の実行委員会はそうした全体の力によって構成され準備されています。演劇祭開催の実際の取り組みも、多くの自発的なボランティアの皆さんの協力を得て、心の通う豊かなものになるでしょう。市民とともに創る新しい演劇祭に皆さんのご支援ご協力をお願いするものです。


横濱世界演劇祭2006実行委員会の構成
主催
横濱世界演劇祭2006実行委員会
共催 神奈川県演劇連盟
社団法人横浜演劇研究所
神奈川県
横浜市
財団法人神奈川芸術文化財団
財団法人横浜市芸術文化振興財団
県立青少年センター
実行委員長 飯田克衛 (社団法人横浜演劇研究所理事長)
副実行委員長 後藤 圭 (劇団かかし座代表)
実行委員長代理 横田和弘 (神奈川県演劇連盟理事長・劇団河童座代表)
事務局長 団のぼる (神奈川県演劇連盟理事・演出家)
事務局 山本忠利・大原淳司・中山夏織・山元洋一・荒井賢一・児玉朗・坂下泉