劇団こゆるぎ座
プロフィール


 劇団こゆるぎ座は来年2006年には創立60周年を迎える伝統のある劇団です。
創立は1046年1月3日、敗戦の日から5ヶ月も経ていなかった。当時早稲田大学の予科である第一早稲田高等学院に在籍していた、井上和男、露木清の二名によって創立された。当時新国劇など商業演劇の中堅作家として活躍していた北条秀司氏が小田原に住んでいて、その娘北条美智留がこゆるぎ座の座員だったことから、北条作品の上演と指導を受けるようになり、いこう四〇年に渡り援助を受ける。
今日こゆるぎ座は市民劇団として小田原に定着し、年一回ではあるが定期公演を続けている。アマチュア劇団ではあるが、毎年の公演に二〇〇〇名の観客を迎える。劇団は長い歴史の中では公演する演目は様々であったが、現在は小田原市の史実の中から「小田原物創作劇」を上演し続けている。つまり髷物である。座付き作者後藤翔如が中心になり創作しているが、昨年は「小田原藩婦道記・いかず後家」を上演した。
 徳川配下の譜代大名小田原藩。幕府筆頭老中に君臨、名君と謳われた第十一台藩主大久保真公の偉業を映し出して、時代に置かれたその趨勢を背景に縦軸に、藩士佐倉寛十郎家の家庭事情から織りなされる奮闘、顛末を横軸に物語が展開した。公演は今回も二千名の観客に喝采を浴びた。
アマチュア劇団ではあるが、神奈川県演劇連盟の結成当時からの中心劇団であり、県下の劇団から注目を浴びていたが、小田原中心の活動のためそれ以外の所での公演は無かった。
今回初めて、横濱世界演劇祭に際して横浜での公演を期待する声に押されて、横浜公演を行うことになった。

劇団こゆるぎ座の受賞歴
1955年5月 ・神奈川優良文化団体として神奈川県立図書館より表彰
1974年9月 ・安藤為次記念賞受賞
1977年 ・小田原市褒賞受賞
1985年 ・神奈川文化賞受賞

横濱世界演劇祭参加作品
『小田原提灯』後藤翔如・作 楠田正宏・演出

横濱世界演劇祭2006招聘について
今年度も後藤翔如に脚本を委嘱し、小田原の歴史に題材を取った時代物を上演する。
この作品を小田原で上演するほか、はじめての横浜進出として、横濱世界演劇祭で上演する。
こゆるぎ座は終戦直後に結成されたまもなく60周年を迎える劇団で、神奈川の非専門劇団としては最長の歴史を刻みます。
かねてから横浜で公演しないかという声があったが、地元密着の劇団としては、小田原での活動を唯一としてきたために、横浜公演を望む声に応えてこなかった。しかし今回の世界演劇祭が神奈川県演劇連盟を中心にした実行委員会として立ち上がり、「違いを越えて」「演劇の日常化」テーマに準備を進めることに共感し、世界の優れた演劇と競演するという取り組みに共鳴し、この機会に世界の演劇に学びつつ、小田原で培ってきた、北条秀司氏の指導と伝統を受け継いだ時代劇の成果を、横浜の市民にも是非広めたいという思いを持って決意した。
神奈川県演劇連盟の推薦もあり今回の世界演劇祭に相応しい劇団として招聘した。