*日本語字幕スーパー付
 英語上演


1942年、ワルシャワ。16歳の孤児アジオは2本のにんじんを盗み警察官に銃を突きつけられた。コルチャック先生に救われ、彼の孤児院で暮らし始めるが、そこには子どもたちの自主性が尊重され問題があれば自分たちの法廷で決定するコミュニティがあった。アジオの反抗心とそれを見守る孤児ステファニー。狂気と化するナチスはついにすべてのユダヤ人移送を始める。コルチャック先生は自分に差し伸べられた救済を無視して、子どもたちとともに最後の行進を行う。アジオとステファニーは捜索を逃れゲットーの地下へと潜っていく…。
弾圧に対する抵抗、コミュニティーの意味、子どもの人権をテーマに、国際的に活躍するディビッド・グレイグが脚色した佳作。人形の活用と俳優の演技、繊細な演出が出色。

【新聞の批評】
「この作品は、演劇において他のいかなる媒体でも創造しえない、演劇と言う理念の仕えるドラマティストのアートである。」(オブザーバー紙The Observer)

「人形は次第により高く共鳴していく。終幕、移送されるべくコルチャックが人形を列に並べるとき、心動かされずにはいられなくなる。」(ファイナンシャル・タイムスThe Financial Times)


劇団名・ Dundee Rep Theatre ダンディ・レップ・シアター (スコットランド)
作品名・コルチャック先生の選択

<劇団/作品>
日本でもよく知られるコルチャック先生と子どもたちをめぐる史実を、弾圧に人はどのように抵抗するのか、コミュニティの意味、人々はお互いにどのような責任を担っているのか、そして、子どもの人権をテーマに、スコットランドを代表する現代劇作家ディヴィッド・クレイグが脚色、2001年、TAGシアター・カンパニーが初演した青少年演劇を、スコットランドで唯一劇団制を採用し、新しい地域劇場のモデルとして、いま最も注目を集めるダンディ・レップ(芸術監督:ジェームス・ブライニング)が再演。

脚  本: ディヴィッド・グレイグ
演  出: ジェームス・ブライニング
出  演: ダンディ・レップ・アンサンブル
対象年齢: 小学4年生程度以上。


<ストーリー>

コルチャック先生はポーランドの伝説的な人物として知られています。本業は医者ですが、児童作家でもあり孤児院の院長でもあり、ラジオで教育問題を論じる専門家でもありました。第2次世界大戦の時代、ポーランドはヒットラーに占領されます。ゲットーと呼ばれるユダヤ人隔離街がつくられます。コルチャック先生は孤児院のユダヤの子どもたちもゲットーに移住させられます。その孤児院に新しい、フライという子どもが入ってきます。コルチャック先生は毎日子供たちの食料調達のために街の有力者に頭を下げて歩きますが、それもだんだん難しくなります。そんな日々のなか、フライも他の子どもたちもナチスに抵抗しながら必死に生きてゆきます。しかし、子どもたち全員の強制収容所への移送が迫ってきます。



Dundee Rep Theatre
(スコットランド)
プロフィール

沿革
1939年5月設立。1963年。火災により劇場が消失。その後18年間にわたり、仮劇場での公演を続けた。
1982年4月念願の新劇場開場(客席数450席)。
1999年、英国ですでに失われた劇団制を再興。
人口十数万の一地方都市の地域劇場でありながら、劇団制を採用するスコットランド唯一の劇場として、また舞踊団がレジデントする英国唯一の地域劇場として、その質の高さとともに劇場運営面でも高い評価を得ている。
スコットランドで唯一劇団制を採用し、新しい地域劇場のモデルとして、いま最も注目を集めている。
目的
劇団(アンサンブル・カンパニー)と舞踊団(スコティッシュ・ダンス・シアター)というユニークな人的資源による質の高い創造活動と、アマチュア演劇の強い伝統(コミュニティ・カンパニー)、新たに加えられたエデュケーション活動を通して、地域社会に貢献するのみならず世界に向けて発信する。
組織
チーフ・エグゼクティブ 芸術監督 ジェームス・ブライニング
芸術監督(アンサンブル・カンパニー) ドミニク・ヒル
芸術監督(スコティッシュ・ダンス・シアター) ジャネット・スミス
アソシエート・ディレクター スティーブン・スモール
アドミニストラティブ・プロデューサー ローナ・デュグィッド

専属のスタッフ・キャスト(主な専属の指揮者,ソリスト,演出家,舞踏手,俳優等)
アンサンブル・カンパニー
ジョン・ブイック、キース・フレミング、サマンサ・ヤング、アイリーン・マックドガル、エヴァン・マクドナルド、ロバート・パターソン、エミリー・ウィンター
団体受賞歴
1996年 TMAマルチニ賞(The Best Overall Production)
2004年 スコットランド批評家賞5部門受賞(10部門中)
Best Production, Best Performance (male), Best Director,・ Best Music & Best Design
海外公演実績
2003年 イラン公演「冬物語」(シェークスピア作)
イランにおける25年ぶりのシェークスピア上演として話題を呼ぶ。

ジェームス・ブライニング(演出家/ダンディ・レップ芸術監督/チーフ・エグゼクティブ)

1968年英国リーズ生まれ。ケンブリッジ大学ガートン・カレッジ卒(テレーゼ・モンテフィオーレ学術賞)。
ランデブー・シアター・カンパニー、プロテウス・シアター・カンパニー芸術監督などを経て、1995年から97年まで、教育プログラムで評価の高いロンドン郊外のオレンジ・ツリー・シアターでコミュニティ・ディレクターを務め、TIEプログラムやユース・シアターの運営、指導、演出に携わる。
97年、スコットランドの児童青少年演劇のナショナル・カンパニーグラスゴーのTAGシアター・カンパニー芸術監督に就任。演出のみならず、様々なエレメントを組み合わせた4年にわたる大プロジェクト『僕らの国を創る』に挑み、一躍注目を浴びた。2003年7月より、現職。
グラスゴー大学、王立スコットランド音楽演劇学校やクィーンマーガレットカレッジ大学で指導や演出に携わるとともに、スコットランド演劇人協会副議長、スコットランド国立劇場設立のためのワーキング・グループ(2001年迄)、プレイライツ・スチューディオ・スコットランド理事他、積極的に演劇界全体に関与する若きリーダーである。
主な演出作品として、『ライ・オブ・ザ・マインド』(作/サム・シェパード)、『ダムストラック』(作/ディヴィッド・ケーン)、『フローラ・ザ・レッド・メナス』(詩/フレッド・エブ・曲/ジョン・カンター)(以上、ダンディ・レップ)、『プレイング・ウイズ・ファイヤー』『キング・マット』『コルチャック先生の例』『ドクター・ファウスタス』『ジュリアス・シーザー』『ペトラ』『ワークソング』(以上、TAG)『冬物語』『ヴェニスの商人』『ロミオとジュリエット』『じゃじゃ馬ならし』(以上、オレンジ・ツリー)